本「なんて素敵にジャパネスク1-11」氷室冴子

<2012.07.08>読書メモ・ネタバレ・〇〇年ぶりに再読
意外と忘れてる・著者：氷室冴子さん（2008年逝去）
「なんて・・・」1984年文庫/1999年文庫（後藤星：鷹男）

①「なんて素敵にジャパネスク」1984年/1999年
第一話　お約束は初めての接吻で　の巻
第二話　初めての夜は恋歌で囁いて　の巻
第三話　初めての夜よ　もう一度　の巻
　平安時代・大納言家の瑠璃姫（16才）は、初恋の少年吉野君
 （きみ）との思い出を胸に結婚を拒否⇒ある夜望まぬ結婚を
　することに・・・筒井筒（つついづつ・幼ななじみ）の高彬（たか
　あきら15才）に助けられたことで、結婚の約束をし今夜こそ・・・
　⇒ある事件に巻き込まれ鷹男（19才）と共に大活躍⇒三度目
　の今夜こそ高彬と・・・その時実は東宮だった鷹男（次の帝）
　からプロポーズの文が届く⇒「僕は東宮の想い人に通う不埒
　（ふらち）者ってことになってしまう・・・」高彬青ざめる。
「夢路だに　きみに通へるものならば　
　　　　　　　うつつに見んと　思はざらまし」
②「なんて素敵にジャパネスク２」1985年/1999年
一の巻　太秦（うずまさ）へ
二の巻　初めての夜に燃えて
三の巻　あれは妖（あや）しき美しき鬼
四の巻　夜闇（よるやみ）に　鬼は妖しく囁（ささや）く
五の巻　鬼は荷葉（かよう）の女を喰らう
六の巻　人を愛する眼は青く　人を憎む眼は赤い
七の巻　高彬（たかあきら）、鬼を斬る！
八の巻　み吉野に　雪は降りつつ
　瑠璃姫と一緒に事件解決した鷹男東宮（とうぐう20才）が
　即位し帝となったのに、まだ熱心に使者を送ってくる。帝に対抗
　するわけにいかない高彬は頼りにならない。キレた瑠璃姫
　は出家するため縁（ゆかり）の尼寺に駆け込む。その夜実家
　の三条邸が炎上、門柱に「瑠璃姫 怨」と書いた呪詛（じゅそ）
　状が・・・三条邸焼け跡で美形の僧に出会う⇒この僧が放火
　犯の上に瑠璃姫と帝の命をねらう⇒高彬の機転で拘束⇒
　美形の僧が実は・・・幽閉された寺に火をつける⇒美形の僧
　を脱出させた瑠璃姫はケガをして吉野で静養することに・・・
　美形の僧（19才）を思う瑠璃姫に「僕で我慢しなよ」って高彬
　が優しい！最後はもう涙涙・・・
③「ジャパネスク・アンコール！」1985年/1999年
高彬のジャパネスク・ミステリー　の巻
　謀反事件から5カ月。首謀者の美形の僧唯恵（ゆいけい）
　が生きているという噂。高彬が調査を始めるとニセ唯恵と
　判明、しかし帝は「本当に唯恵ではなかったのか？顔は
　見たのか？」と何度も詰問されて高彬はうんざり、つくづく
　「瑠璃さんに会いたいな・・・」「あんた、しっかりしなさいよ！」
　とどやしつけられたいと思ってしまう高彬でした
ジャパネスク・スクランブル　の巻
　高彬の乳兄弟（ちきょうだい）である守弥（もりや）は評判の
　悪い瑠璃姫との仲を引き裂くためにある陰謀を・・・
④「続ジャパネスク・アンコール！」1986年/1999年
守弥（高彬より5才上）のジャパネスク・ダンディ
　「高彬（17才）と瑠璃姫の仲を引き裂く陰謀」が失敗した守弥
　は今度は瑠璃姫が浮気をしてる証拠をつかむために吉野に
　乗り込む。吉野君を待つ瑠璃姫は実は毎日悪夢にうなされ
　てた・・・しかし峯男（守弥）が来てくれたことで吹っ切れて
　やっと京に帰る決心がつく。峯男（守弥）は瑠璃姫の不思議
　な魅力に・・・。瑠璃姫に対しすっかり弱気になった守弥が
　おかしい！この話最高！挿絵の守弥は結構カッコイイ・・・
小萩（瑠璃姫より2才上）のジャパネスク日記
　父母を亡くした小萩は、8年前大納言邸に勤めることになる
　またうるさい女房がきたと追い出そうとした瑠璃姫だが泣い
　てる小萩を見て一芝居打つ。これで小萩は瑠璃姫命になる
瑠璃姫にアンコール！
　みんなに内緒でこっそり帰京した瑠璃姫、突然吉野から
　消えて、心配してた高彬になんと頬をたたかれた。エーッ！
　高彬の右大臣家内のごたごたに巻き込まれたけど新三条
　邸も完成、やっとじゃまされることなく「今夜こそ・・・」
　前もって帝に報告の文を・・・⇒返歌が届く⇒高彬フテる
「人妻ゆえに・・・今はただ言葉もなく、心は古代めいてあやし」

⑤「なんて素敵にジャパネスク３人妻編」1988年/1999年
序章　　人妻の憂鬱（ゆううつ）
第一章　忘れえぬ人
第二章　不倫のときめき
第三章　白梅院（はくばいいん）にて
第四章　疑惑の胸騒ぎ
　瑠璃姫（18才）結婚、右近少将高彬（うこんのしょうしょう
　たかあきら）の妻となる。ある日高彬から宮筋の煌（あき）姫
　を預かってほしいと頼まれる。守弥の身分違いの恋人だと
　いうのだが・・・使いに来た守弥を見て瑠璃姫はビックリ「あん
　た峯男・・・」高彬がカゼで寝込んだのでこっそり右大臣家に
　見舞いに行き峯男（守弥）と再会する。一方高彬は帥（そち）
　の宮（25才）が瑠璃姫に興味を示したことに激怒「僕は瑠璃さん
　唯ひとりで、ここまできたんだからね。他の殿方に心を動かしたり
　情にほだされたりしないでね」高彬に約束させられる
⑥「なんて素敵にジャパネスク４不倫編」1989年/1999年
第一話　忘れえぬ夜
第二話　謎の＜帥（そち）の宮＞
守弥と手を組んで、瑠璃姫と高彬の仲を引き裂くために高彬を
　誘惑したことがあると、煌（あき）姫に告白される⇒真相を聞く
　ため守弥を呼びつける⇒瑠璃姫が男と密会してるという投げ
　文があったと高彬が小太刀（こだち）を手に乱入
高彬が嫉妬してる「帥の宮」が新三条邸を探ってる⇒自称頭脳
　派守弥の発案でビシッとケリをつけるはずが・・・
⑦「なんて素敵にジャパネスク５陰謀編」1990年/1999年　
第一話　帥（そち）の宮登場！
第二話　黄金の接吻
第三話　後宮へ
「瑠璃の部屋に侵入した帥の宮、しかし居るのは煌姫」という
　計画なのに帥の宮は煌姫の部屋に居る瑠璃姫のところに
　直接来たうえにビックリ！鷹男の帝にそっくり・・・鷹男の帝
　の文を届けに来たにしては「瑠璃に悪意の接吻をし、お腹
　にパンチ」はやりすぎ「何かある」⇒後宮へ潜入
「今日よりは　吾子（あこ）とさだめむ　ひとならず
　　　　　　　　　　　　　　など告げざらむ　闇の心に」
「こいこいて　かげともなりぬ　かげだにも
　　　　　　　そうれば　なにか　苦しからまし」
「天のとを渡る眉月　ほのかにや　集めてはうつせ　思う心ぞ」

⑧「なんて素敵にジャパネスク６後宮編」1990年/1999年
第一章　煌姫との密談
第二章　後宮異変あり！
第三章　淑景舎（しげいしゃ）
第四章　再会オンパレード
第五章　逆襲！
第六章　ふたたびの逆襲！
瑠璃と高彬の間にもし姫誕生なら即東宮と婚約⇒瑠璃の父
　の内大臣家が東宮の後見になる⇒右大臣家の力弱まる
右大臣家の春日大納言（高彬の兄）はいやがる妹由良姫を
　入内させてまで皇子誕生を画策⇒帥の宮は瑠璃の妊娠を
　恐れお腹にパンチ⇒帥の宮の陰謀を暴くため瑠璃は後宮に
後宮での物の怪（け）騒ぎがヤラセと気付き後宮で孤立してる
　桐壺女御と東宮の味方になると宣言⇒帥の宮に誘拐される
⑨「なんて素敵にジャパネスク７逆襲編」1991年/1999年
第一章　瑠璃の生還！
第二章　由良姫登場
第三章　由良姫の恋
第四章　対決！
陰謀に気付いたため帥の宮に首を絞められ川に落ち殺され
　かけた瑠璃姫は煌姫と守弥に助けられる⇒身を隠すため
　鳥羽の鴛鴦殿（えんおうでん）に行く⇒由良姫が家出し鴛鴦
　殿に来る⇒帥の宮の共謀者、春日大納言（かすがのだいな
　ごん）が来る⇒死んだはずの瑠璃姫が現れ幽霊と思いすべて
　白状する⇒春日大納言が「東宮廃位後帥の宮を後見する」と
　書いた盟約書を取り戻すため帥の宮と対決⇒出家を約束する
⑩「なんて素敵にジャパネスク８炎上編」1991年/1999年
第一章　高彬の逆襲
第二章　ふたたび後宮へ
第三章　陰謀の真実
第四章　悲恋炎上
第五章　うるわしの夜
あの帥の宮が野心のために陰謀を企てたとはどうしても思え
　ない高彬は帥の宮を監視⇒瑠璃も真実を求めて後宮へ⇒
　思いもかけない真実を知った瑠璃は・・・帥の宮の思い・
　高彬の大活躍・由良姫の決意・・・涙涙の結末！
☆この本を読む方は「陰謀の真実と結末」は絶対知らない方
　が楽しめます・帥の宮が登場してからは少女小説とは思え
　ない奥の深い展開で一気読み！

<登場人物考>
瑠璃姫：カン・思いつきで行動するが大当たり！日頃からの
　いろんな係わりで出来たスゴイ人脈が事件解決に役立つ
高彬：第1巻（15才）とは別人のような成長ぶりがすばらしい
　女性陣の考え・行動が理解不能で悩みが多い
煌姫：宮家の姫だが準主役級の大活躍・自己中・現実的
　煌姫（政治的判断ができる）>瑠璃>守弥（高彬しか頭にない）
　二人の姫にり振回される守弥がおかしいけどいいトリオ！
守弥：頭はいいが若君命なので思考範囲が狭い・最高の
　キャラクター・高彬の前ではビシっとするが瑠璃姫には弱い
　初対面時「記憶喪失を装った盗賊」と思ってた小萩もニガ手
小萩：瑠璃姫命・常識的に「瑠璃姫の行動」を批判するが
　結局認めてしまう・ココ一番では瑠璃姫の命令も破る
鷹男：東宮の時はいろいろ動けて活躍し人気あったけど帝に
　なったら高彬にイヤミを言ったり、瑠璃姫に思わせぶりな文を
　送って楽しんでる迷惑な人になってしまった、もし準主役なら
　「暴れん坊将軍」みたいに活躍したはず「美形・和歌は天才的
　筆跡一流・頭がよく・腕がたつ・弓の名手・女好き」⇒主役級！
藤宮（ふじのみや）:東宮の叔母・帥の宮の異母妹・ある事件で
　瑠璃姫と親しくなる・超美人・鷹男の帝や帥の宮と仲がいい
帥の宮（そちのみや）:長らく世間から忘れられていた・今上帝
　の鷹男と似てる・頭が超いい・東宮廃位の陰謀を企てる

花とゆめCOMIC・なんて素敵にジャパネスク1-11・1993年～


上中：吉野君と遊んでいたころの瑠璃姫（色塗りは色鉛筆）

上右：花束を持っている瑠璃

なんて素敵にジャパネスク11（続ジャパネスクアンコールより）
　なんて素敵にジャパネスク11（瑠璃姫にアンコール！）
　小萩のジャパネスク日記
　はあとにチェック（花とゆめ8号掲載）別のマンガ

COMICS・なんて素敵にジャパネスク人妻編1-11・2005年～


COMICS・なんて素敵にジャパネスク人妻編4・2006.10
『瑠璃姫と煌姫の入れ替わり作戦で、帥の宮に釘を刺そうと
　いう守弥の計画が見破られ、瑠璃は帥の宮と一対一で遭遇
　してしまう！帥の宮に翻弄され、帝からの手紙を受け取った
　瑠璃はコトの真相を探るべく藤宮に迫るのだが・・・！？』


COMICS・なんて素敵にジャパネスク人妻編11・2011.6
『再び瑠璃に手をかけ姿をくらました帥の宮。しかし高彬らに
　よって捕縛された。瑠璃と高彬が下した決断とは！？
　平安ラブアドベンチャーの最終巻！』・『』内は書評より

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